2026-06

ブラッドフロントシリーズ

35話:裏側にあるものを見たとてそれも結局表

漆黒の静寂を切り裂き、アレクセイの乗る宇宙船が月の港に入る。 無機質なクレーターの合間にそびえ立つ月都市13号「アポロ」。その巨大なドームが、サーチライトを反射して鈍く光る。管制室と光通信がされる。正規の回線とは別に、秘匿された暗号化通信が...
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34話:少年XX

宇宙船の中、ドーム状の広場。窓の外には、遠ざかる地球の輪郭が青白く輝いている。しかし、その美しさを享受する余裕など、今の彼らには微塵もなかった。マチル「で?、、、お前らはこれからどうする?」マチルの問いかけに、アレクセイとユーリは配給された...
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33話:度願えばなんでも叶うなら

マチル「本当に良いんだね?」マチルの静かな確認に、二人の少年は重く、しかし揺るぎない頷きを返した。ユーリ「はい、お願いします、、、セロニカは綺麗なままで良いので」カプセルの中に横たわる少女の顔には、マチルによって死化粧が施されていた。血流が...
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32話:受け入れた訳ではない。

医務室の重い自動ドアが左右に開く。無機質な殺菌灯の青白い光が、静まり返った室内を冷たく照らしていた。アレクセイ「ユーリ、、、、、」絞り出すような声に、ベッドの上で背を向けていた少年が、わずかに肩を揺らした。ユーリは膝の上に置いたスケッチブッ...
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31話:受け入れるのは何年後か

「で?、、、どうするんですか?コイツら」「るっさいな良いだろ別に、それともなんだ?子供が死んで良いってのか?」「いえ、、そうは言ってませんけど、、犯人の可能性があるんですよ?」「ないよ」低く、どこか投げやりな女の声と、それに食い下がる男の声...
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30話:事後処理

カチッライターの火が暗がりに燻る。「っ、、、、、、すぅ、、、、、、はぁぁぁぁ、、、、、、」煙と共に、黒い長髪を靡かせた長身の女性が重い溜息を吐き出した。その視線の先には縛りつける必要すらなく、ただ項垂れている二人の少年がいる。一人は、魂が抜...
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29話:破壊の女神

アレクセイの咆哮が、夕焼けに溶け始めた戦場を震わせていた。漆黒に赤熱した機体は、アレクセイの剥き出しの神経と化した破壊の権化だった。「セロニカは俺の友達だった!! セロニカは生きて帰るって話だったんだよ!!!」その叫びと共に、リグマシーナギ...
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28話:朱に交わる事はなく

静寂が、コックピットの薄暗い闇の中で冷たく澱んでいた。ユーリがその腕に抱いているのは、先ほどまで確かに命の輝きを放っていた少女の形。しかし、腕の中から伝わってくる感覚は、無慈悲な速度で変質していく。セロニカの熱が消えていく。指先から、頬から...
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27話:懲悪

その機体は、地底の泥濘から這い出した怨念そのものだった。テロリストたちは、崩落した残骸を眺めながら、自分たちの仕掛けた爆弾が標的を生き埋めにしたのだと、勝利の確信を持って話し合っていた。その弛緩した空気を、大気を震わせる不吉な駆動音が切り裂...
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26話:出発したのは朝だった

どのくらいの時間が過ぎ、どれほどの涙を流しただろうか。止まっていた時計が再び動き出すように、アレクセイとユーリは静かに、しかし自然と動き出した。二人は、セロニカの細い胸を無慈悲に貫いていた鉄骨を、震える手で、しかし力任せに引き抜く。ユーリが...
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