セナ
「、、、、、、ん?、、、んーーーー、、、、コイツら偽物だ、、、」
セナは倒れたアランの横に膝をつき、上着の内ポケットを指で探った。
アレクセイ
「そうなの?」
アレクセイは横たわるミネイを跨ぎ、セナの手元を覗き込んだ。
セナはアランの懐から革製の手帳を引き抜き、表紙を開いてアレクセイの目に突き出した。
セナ
「これの番号がおかしいのよ、A920371なんだけどね、そもそも前にAが付くのって皇帝の近衛兵隊しか居ないのよ、近衛兵隊は300億人居る軍人のうち1万人しか成れないのよ?数がおかしいわ」
セナは手帳の刻印を爪で弾いた。
アレクセイ
「へぇ、、そうなんだ、、、でも特殊捜査官って言ってたし秘密部隊とかじゃないの?」
アレクセイはしゃがみ込み、アランの顔に被せていたジャケットを拾い上げた。
セナ
「うーん、、、秘密部隊、、、2100年に統一帝国になった時の大改革で公務に携わる場合秘密組織は無しにするって憲法に定められたからあり得ないわ」
セナは手帳を閉じ、地面に放り投げた。
アレクセイ
「でもただの文言だろ?破る奴くらい居るだろ?」
アレクセイはジャケットの埃を払い、腕を通した。
セナ
「でもそんなの横行したら軍所属の秘密部隊って言えば詐欺が罷り通るもの、政府が威信をかけて撲滅した筈よ」
セナはアランのベルトから予備の弾倉を抜き取り、重さを確かめてから投げ捨てた。
アレクセイ
「でも国家がやったら?」
セナ
「国家主導なのに後ろめたいの?」
セナは立ち上がり、アレクセイの目を正面から見つめた。
アレクセイ
「、、、、、、、、、、うーん、、、さぁ?」
アレクセイは視線を湖の水面へと移した。
セナ
「、、、、、、ま、、多分コイツらは逮捕って言って法手続きを誤認させて一般人を攫う頭のおかしい組織ってのは間違いないわ」
セナはミネイの持っていたテーザーガンを足で蹴り、湖の方へ転がした。
アレクセイ
「、、、、、、、、、、ふぅん、、、」
セナ
「人に話せない実験をしても得るものは何も無いわ」
セナは遊歩道の柵に背を預けた。
アレクセイ
「なんで?」
セナ
「私のおじいちゃんの言葉よ、、世界の真理を紐解けど娘が1番可愛いって」
アレクセイ
「何それ、、、」
アレクセイは首を傾げ、眉間に皺を寄せた。
セナ
「まぁつまり、人のためにならない事ほど隠れてやるんだからそんな実験意味ないでしょって話」
セナは湖面を指差し、円を描くように動かした。
アレクセイ
「コイツらは帝国軍所属じゃないと?」
セナ
「そらね、というか今思ったけどそもそも陸軍なんて20年前に廃止されて全部統合されてるもの」
セナはミネイの襟元にある偽の階級章を指先で弾き飛ばした。
アレクセイ
「あぁ、あったなぁ社会科で聞いた」
アレクセイは頷き、踵を返して歩き出した。
セナ
「人間は利益が出るものしか維持出来ないもの、科学が信仰になった結果の組織じゃない?」
セナはアレクセイの隣に並び、意識を失った二人を残して広場の方へと歩いていった。
