92話:謎の男女

ピピピピピピッ!

男は手元の計器を顔に近づけ、点滅する光を追った。

「ん?、、、ゼンシアの反応がこっちから」

男は遊歩道の植え込みを跨ぎ、湖の方角へ歩き出した。その後ろを、スーツの裾を捌きながら女が追う。

「あのぉ〜、私、軍研究部からの転向なんですけど、、ゼンシアってなんなんですか?、アラン先輩」

アラン

「、、、、、、、、よくわからん存在だぞ、ミネイ」

アランは立ち止まらず、計器のノブを回して感度を上げた。

ミネイ

「え、、、なんでそんなもん研究してるんです?」

アラン

「、、、、、、、さぁ?、、、なんか脳科学がどうとか言ってたなぁ」

ミネイ

「へぇ、、ぁ、、じゃあ私リグマシーナギアの生体接続について研究してるから来たんですかね!? 」

アラン

「知らね、俺は給料が良いから居るだけだし」

アランは肩をすくめ、雑踏を掻き分けた。

ミネイ

「私は研究費用くれるって言うんで!」

アラン

「、、、、、、ま、、、そんなもんか、、」

ピピピピピピーピーピーピー!

警告音が連続音に変わり、アランは前方で立ち止まる二人組を指差した。

アラン

「お?アイツか?」

ミネイ

「じゃあ給料のために捕まえますか!」

二人は湖近くの遊歩道へ飛び出した。アランは懐から身分証を突き出し、叫んだ。

アラン

「ジミュラ帝国陸軍警察部特殊捜査官アラン・コーネアス!逮捕する!」

アレクセイ

「?、、、、、なんで?」

アレクセイは持っていた食べ物の殻をゴミ箱に落とし、アランを振り返った。

セナ

「バレたって事じゃ無い?、、逃げなくちゃ!」

セナがアレクセイの腕を引く。アランは腰を落とし、アレクセイの胸元へ手を伸ばした。

アレクセイ

「なに、、、コイツ、、、」

アレクセイは着ていたジャケットのボタンを外し、アランの頭部へ覆い被せるように投げつけた。

視界を奪われたアランの鳩尾へ、アレクセイの右膝が突き刺さる。

アレクセイ

「、、、、、、、、、、、え、、、よわ、、、、」

アレクセイは膝を下ろし、床に転がったアランを見下ろした。

ミネイ

「こ、、公務執行妨害ですよ!」

ミネイがホルスターからテーザーガンを引き抜き、銃口をアレクセイに向けた。

ピピピピピピッ!!!バチん!

アランとミネイが持っていた計器の液晶が同時に火花を散らした。

アレクセイは床で蹲っていたアランの襟元を掴み上げ、ミネイの方へ投げ飛ばした。

放たれたテーザーガンの針が、アランの背中に突き刺さる。

アレクセイは一歩踏み込み、ミネイの右頬を平手で薙いだ。

バチン!!!!

衝撃でミネイの体が横に流れ、背後のベンチに倒れ込んだ。

セナ

「、、、、、、、、、、わーお」

セナは口元を両手で覆い、倒れた二人とアレクセイを交互に見た。

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