セナ
「、、、、、、アイツ、、、、」
床に膝をついたまま、セナは信じられないものを見るかのように、目の前の背中を見つめた。
そこに立つアレクセイの肩は、激しい怒りに小刻みに震えている。
アレクセイ
「お前は何故そう言える!何故そう宣える!」
ハジコ
「な、、なんだお前は、」
ハジコは、一瞬にして自分の私兵を屠り去った存在に、じりじりと後退りした。
アレクセイ
「こっちが聞いているんだ!何故セナをそう蔑める!」
ハジコ
「セナ?、、、アザミ、、あぁ、、、」
ハジコは、余裕を取り戻すように薄笑いを浮かべた。背中に腕を回し、木の壁に背を預ける。
ハジコ
「この世界では力がものを言うからだ、、」
アレクセイ
「む?」
ハジコ
「アザミに何がある?権力?腕力?技術?知識?知性?、、ありはしないだろう、、あるのは女としての美貌と機能だろう?」
その言葉は、まるで商品カタログを読み上げる。
アレクセイ
「だから?」
ハジコ
「私には権力がある、頭脳がある、守ってあげてるんだよ」
ハジコの理屈に、背後からセナの絶叫が重なる。
セナ
「それは違う!!コイツは女を売る事しか脳にない!守ってあげてる?誰が頼んだ!誰がやってくれと!善意なんて私は」
ハジコ
「うるさいよ!!じゃあここで死んでいけ!いくら腕力が強かろうと銃には勝てないだから未開拓の民は死ぬ!」
ハジコの指が、懐の銃の引き金にかかった。
だが、その銃声が轟くよりも早く、背後の壁が爆発した。
物理的な破壊音と共に、豪奢な壁面を突き破って、巨大な、丸太のような腕が突き出される。
アレクセイ
「!?」
ユーリ
「壁から、、、、腕?、、、」
キャサリー
「そんな機能あったの?」
セナ
「、、、、、、、知らない、、、」
三人が言葉を失う中、壁の向こう側から
オンバス
「ふん!!!」
壁を紙細工のように引きちぎり、オンバスが姿を現す。
彼はハジコの襟首を掴み、その身体を壁ごと床へ引き摺り倒した。
オンバス
「くくっ、、未開拓の民が居なくなった世界でその銃は一体なんのアドバンテージがあるんだろうなぁ!おい!!!!!!!!!!」
室内の空気が震えるほどの咆哮。鼓膜を直接揺さぶる音圧に、その場にいた全員が思わず耳を押さえてうずくまった。
セナ
「、、、、、、、ぐえ、、、耳が、、、、」
アレクセイ
「、、、、?、、、これ不味くね?、、耳痛い、、」
ユーリ
「追ってきたのバレちゃった!?、、、、、もう攻城兵器だよこの声、、、」
あまりの声量に、物理的な苦痛が襲う。
キャサリー
「いやでもでもメモリはこっちの手元にあるから大丈夫!、、、、、なんだけどうるさい、、」
キャサリーは必死に外部チップを握りしめながら、音の衝撃波に耐えていた。
