55話:教育実習の人って外から来たおっさんおばさん

キャサリー

「で?、、、何歳なの?」

キャサリーの不躾な問いに、セナは一瞬だけ表情を強張らせ、虚勢を張るように胸を張った。

セナ

「2、、、、、じゅ、う、、、、よ!!!」

アレクセイ

「31じゃない?」

ユーリ

「35くらいでしょ」

アレクセイとユーリの無慈悲な推測が、静まり返った廊下に淡々と響く。

キャサリーがセナの顔をじろじろと見る。

キャサリ―

「この肌の質、、、、、、、24歳くらい?」

セナ

「チッ、、、、、」

キャサリー

「また舌打ちした、、、、」

隠しきれない苛立ちを吐き出したセナは、それまでの怯える少女の仮面を完全に脱ぎ捨て、鋭い視線で三人を見据えた。

セナ

「うるせぇな24だぞ!30超えてねぇよ!テメェら10代もいずれこっちくんだよ!」

アレクセイ

「、、、、、、さっきの泣き真似はなんだったの、、、」

アレクセイがゴミを見るような冷めた目を向ける。セナは鼻で笑い、髪を乱暴にかき上げた。

セナ

「泣けば殺さないだろ?善人なら躊躇、プロなら保護、ペドのカスやろうなら尚更な」

キャサリー

「、、、、ぺど、、、って、、、そうやっていうのは、、、、」

あまりに世俗的で汚れた生存戦略に、キャサリーの顔が強張る。

アレクセイ

「8歳も上なんだからおばさんじゃん」

ゴン!

アレクセイ

「痛!?」

アレクセイの無神経な一言に、キャサリーの手が反射的にその頭を叩いた。ア

レクセイが頭を押さえて顔をしかめるのを無視し、キャサリーはセナに向き直る。

キャサリー

「セナ、、、さん?、、それともなんて言えばいいの?」

セナ

「好きに呼べば良いわ、、、、どうせ先祖に嫌われてる生き汚い女よ」

自虐的な響きを纏った言葉。キャサリーはその瞳の奥にある乾いた執念を見逃さなかった。

キャサリー

「じゃあ、、あの、、、裏帳簿が私たち、、いや、、あの私は欲しいの、、、」

セナ

「ふぅん、、、こっちの得は? 」

セナは値踏みするようにキャサリーの全身を眺めた。

キャサリー

「必ず逃す」

セナ

「足りないわ」

キャサリー

「ならマチルさんに言えば良いんじゃない?アレクセイ、ユーリ」

アレクセイ

「良いのかな?」

ユーリ

「いいんじゃない?、、どうせ僕ら指名手配犯だし、、、はは」

自嘲気味に笑うユーリの言葉に、セナの眉がわずかに動く。

セナ

「ふぅん、、伝手はあるようね、、、良いわよ、、うん、、どうせ、この混乱をハジコは乗り切れないもの」

セナは重い腰を上げると、スカートの汚れを払うこともなく、暗い廊下の先へと歩き出した。

ユーリ

「ちょ、、あの、、、待って危ないよ1人じゃ!」

ユーリが慌ててセナの細い腕を掴む。

その瞬間、セナの身体が石のように硬直した。

彼女は腕を振り払うことさえ忘れ、唇を強く噛み締める。

その端から、滲んだ鮮血が顎へと伝い落ちた。

アレクセイ

「どうするの?」

キャサリー

「行くしかないでしょ」

背中を見せて進むセナの異様な緊張感に引きずられるように、三人はさらなる深部へと足を踏み入れた。

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