キャサリー
「で?、、、何歳なの?」
キャサリーの不躾な問いに、セナは一瞬だけ表情を強張らせ、虚勢を張るように胸を張った。
セナ
「2、、、、、じゅ、う、、、、よ!!!」
アレクセイ
「31じゃない?」
ユーリ
「35くらいでしょ」
アレクセイとユーリの無慈悲な推測が、静まり返った廊下に淡々と響く。
キャサリーがセナの顔をじろじろと見る。
キャサリ―
「この肌の質、、、、、、、24歳くらい?」
セナ
「チッ、、、、、」
キャサリー
「また舌打ちした、、、、」
隠しきれない苛立ちを吐き出したセナは、それまでの怯える少女の仮面を完全に脱ぎ捨て、鋭い視線で三人を見据えた。
セナ
「うるせぇな24だぞ!30超えてねぇよ!テメェら10代もいずれこっちくんだよ!」
アレクセイ
「、、、、、、さっきの泣き真似はなんだったの、、、」
アレクセイがゴミを見るような冷めた目を向ける。セナは鼻で笑い、髪を乱暴にかき上げた。
セナ
「泣けば殺さないだろ?善人なら躊躇、プロなら保護、ペドのカスやろうなら尚更な」
キャサリー
「、、、、ぺど、、、って、、、そうやっていうのは、、、、」
あまりに世俗的で汚れた生存戦略に、キャサリーの顔が強張る。
アレクセイ
「8歳も上なんだからおばさんじゃん」
ゴン!
アレクセイ
「痛!?」
アレクセイの無神経な一言に、キャサリーの手が反射的にその頭を叩いた。ア
レクセイが頭を押さえて顔をしかめるのを無視し、キャサリーはセナに向き直る。
キャサリー
「セナ、、、さん?、、それともなんて言えばいいの?」
セナ
「好きに呼べば良いわ、、、、どうせ先祖に嫌われてる生き汚い女よ」
自虐的な響きを纏った言葉。キャサリーはその瞳の奥にある乾いた執念を見逃さなかった。
キャサリー
「じゃあ、、あの、、、裏帳簿が私たち、、いや、、あの私は欲しいの、、、」
セナ
「ふぅん、、、こっちの得は? 」
セナは値踏みするようにキャサリーの全身を眺めた。
キャサリー
「必ず逃す」
セナ
「足りないわ」
キャサリー
「ならマチルさんに言えば良いんじゃない?アレクセイ、ユーリ」
アレクセイ
「良いのかな?」
ユーリ
「いいんじゃない?、、どうせ僕ら指名手配犯だし、、、はは」
自嘲気味に笑うユーリの言葉に、セナの眉がわずかに動く。
セナ
「ふぅん、、伝手はあるようね、、、良いわよ、、うん、、どうせ、この混乱をハジコは乗り切れないもの」
セナは重い腰を上げると、スカートの汚れを払うこともなく、暗い廊下の先へと歩き出した。
ユーリ
「ちょ、、あの、、、待って危ないよ1人じゃ!」
ユーリが慌ててセナの細い腕を掴む。
その瞬間、セナの身体が石のように硬直した。
彼女は腕を振り払うことさえ忘れ、唇を強く噛み締める。
その端から、滲んだ鮮血が顎へと伝い落ちた。
アレクセイ
「どうするの?」
キャサリー
「行くしかないでしょ」
背中を見せて進むセナの異様な緊張感に引きずられるように、三人はさらなる深部へと足を踏み入れた。
