49話:若者の私語をどう慎ませればいいんでしょう

マチル

「ビームバリアを展開」

その号令と共に、マチルたちの船は港の外壁を轟音と共に粉砕し、逃げ場のない上空へとその巨躯を現した。

重力に逆らうことを放棄したかのように、船体は領主の喉元へ向けて急落していく。

ドオオオオオオオオン!!!!

着壊の衝撃が収まらぬうちに、ハッチが開放される。

船内からはマチル団のリグマシーナギア隊、計4機が磁力射出の勢いのまま戦場へと躍り出た。

デニス

「おらおらおらぁ!!!カナス!ラスティーヌ!ジェット!行くぞ!!!」

先頭を行くデニスの檄が通信回線に響く。

だが、続く若きパイロットたちの関心は、目前の敵よりも船内に残してきた怪物に向いていた。

カナス

「あの黒いリグマシーナギアどうするんですか?」

ラスティーヌ

「あれすっごいすよ!デニスさん!禁止技術のオンパレードっす!」

ジェット

「コードを調べた結果ヴェルクって機体名らしいですよ、、でもあれプロテクトが異常です、、表面の仕様書だけしかまだ見れてないんですよ」

機体を滑走させながら、技術的な興奮を隠しきれない部下たちに、デニスが苛立たしげに割って入る。

デニス

「あのねぇ君たち、今任務!任務なの!そういうのはね任務後に話すの!」

カナス

「つっても俺たち陽動なんでしょう?意味なくないですか?正直」

デニス

「意味はあるでしょ!」

カナス

「いや戦闘せずにてきとうに歩き回るだけじゃないですか」

デニス

「まぁ良いんだよ!良いの!」

隊長としての面目を保とうとするデニスの横を、敵の迎撃部隊が横切る。

センサーが敵影を捉えた瞬間、ラスティーヌの機体が腕部兵装を持ち上げた。

ラスティーヌ

「ぁ、敵来ましたね、、、新兵器を発射しましょう!」

ぽしゅっ

抜けたような音と共に、頼りない弾体が虚空を舞う。

ラスティーヌ

「不発でした!!すみません!!」

デニス

「ふざけちゃダメでしょう!!???」

隊長の絶叫に合わせるように、敵機から放たれた銃弾がジェットの機体に命中した。

硬質な金属音が響く。

カンッ!バンッ!

ジェット

「37式拳銃?、、、思ったより金持ちだな、、、でも、、それ厚さ旧セラミック複合装甲の1500mmだから、、、こっちのリグマシーナギアには効かないよ、、なんでそんな骨董品なんだ?、、はい処理終わりました、鹵獲3機って言ってましたけど中で死んだやつ乗りたく無いんですけど」

被弾の衝撃を無視し、ジェットは淡々と敵の武装スペックを読み上げながら、最短の挙動で敵機を無力化していく。

その事務的な手際に、デニスがたじろぐ。

デニス

「どうせ金で雇われた私兵で思想はねぇから脅せば降りるよ、あとジェット!専門知識話すな!俺知らないから!!!」

カナス

(この人優秀は優秀なんだけどなぁ、、デニスさんって緩いんだよなぁ、、、、)

冷ややかな視線を背中に感じながらも、陽動部隊は混乱を極める港湾地区をさらに深く蹂躙していった。

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