ユーリ
「、、、、、、、、、、、む、、、、、、、、、」
ユーリは足を止め、広場の中央にそびえ立つ巨像を仰ぎ見た。
アレクセイ
「へぇ、、これが像なんだ、、、、」
アレクセイは像の足元まで歩み寄り、表面を指の背で叩く。
コンコンッ。
アレクセイ
「黄金なんだね、、、配線にしか使わないイメージだけど、、」
ユーリ
「殴ったら痕つくかな?」
ユーリは拳を握り、像の台座へ一歩踏み出した。
アレクセイ
「やってみる?」
アレクセイが腕を振り上げた瞬間、背後から影が伸びた。
ゴンッ!ゴンッ!
マチルの拳が、二人の頭頂部を正確に捉えた。
アレクセイ、ユーリ
「ぐ、、ぐぉぉぉ、、頭が、、、」
二人はその場にうずくまり、両手で頭を押さえた。
マチル
「コラ!下手な事しないの!!」
マチルは腰に手を当て、二人を見下ろした。
セナ
「、、、、、79代目皇帝オデュッセウス・イヴァノヴィチ・ロマノフ、、ね」
セナは台座に刻まれたプレートを指でなぞった。
アレクセイ
「へぇ、、、、、、、なんかお金持ちそうだね」
アレクセイは涙目のまま顔を上げ、像の顔を見上げた。
ユーリ
「、、、、、、、皇帝様なんだからそりゃもってるだろ」
ユーリは頭をさすりながら立ち上がった。
セナ
「初めてコロニーを打ち上げる事を許可した人よ、、、ここは元々貴族所有の土地なんだから」
セナは周囲を囲む街並みを一周見渡した。
ユーリ
「金があるからだろ、、土地が無くなった結果、、土地を増やそうとするなんて馬鹿げてる」
ユーリは広場の端にある手すりに背を預けた。
マチル
「どうさな、、、、貴族所有といえど、その初期投資をするのは貴族様だろ?、、、資本の使い先を重点化するから価値が出るのさ」
マチルはポケットから煙草を取り出し、口に加えた。
ユーリ
「レジスタンスなのに貴族の肩を持つんですね、、、」
ユーリはマチルの手元を凝視した。
マチル
「持っちゃ悪いのか?」
マチルは火をつけ、煙を吐き出した。
ユーリ
「、、、、、、、、、、、、、、、、、持ち上げて持ち上げて持ち上げた先に殺す民衆という集団に居るんだからそれくらいしますか」
ユーリは視線を像の足元へ戻した。
アレクセイ
「へぇ、、、見て見て!ニジマス!、、ん?、、サーモンとエビと貝じゃなかったけ?」
アレクセイは広場に並ぶ屋台の一つへ駆け寄った。
セナ
「馬鹿ね、ニジマスとサーモンは同じ品種よ、育て方が違うだけよ」
セナはアレクセイの背中を追って歩いた。
アレクセイ
「へぇ、、、一つちょうだい!」
露天のおっさん
「はいよ」
店主は炭火の上から串を引き抜き、アレクセイへ差し出した。アレクセイは代金を決済し、ニジマスの串焼きを受け取った。
セナ
「、、、、ぅえ、、よく食べれるわね、、そのままの見た目の」
セナはアレクセイが持つ串から一歩身を引いた。
アレクセイ
「美味しいよ?」
アレクセイは魚の身を一口かじり、セナの方へ串を向けた。
セナ
「でも見た目が、、、グロテスク過ぎるわ、、、」
セナは顔を背け、手を横に振った。
アレクセイ
「そうかな?」
アレクセイは串を自分の唇に寄せ、白身を丁寧にほぐし取った。そのまま顔を近づけ、セナの口元へ身を差し出す。
セナ
「へ、、、ぁ、、、あつっ、、、」
セナは反射的に口を開き、熱い身を舌の上で転がした。
アレクセイ
「美味しくない?」
アレクセイはセナの顔をじっと覗き込んだ。
セナ
「、、、、、、、、、っ、、、、くそ、、、、」
セナは頬を赤く染め、口元を押さえて視線を地面に落とした。
