アレクセイ
「お腹空いた、、、」
アレクセイは腹をさすりながら、廊下に立ち止まった。その視線は足元の床板に落とされている。
デニス
「じゃあ俺が案内してやるよ」
デニスが親指で背後の通路を差し、歩き出す。その後ろを、ユーリとセナが顔を見合わせながらついていった。
ユーリ
「、、、、、あの、、、僕たちを保護してて良いんですか?、、学園都市を壊した犯人かもしれませんよ」
デニスは歩みを止めず、前を向いたまま答えた。
デニス
「、、、、、、さぁな、、マチル団長の言う事が絶対だからな」
セナ
「そんなあの女が偉いの?」
セナが眉をひそめてデニスの背中に問いかける。
デニス
「、、、、、、、、、、、偉いかどうかなら偉くはあるよ、、ただ死ねないだけの俺たちをまとめたのはあの人だし」
アレクセイ
「、、、、、、、、、、、お腹、、、、、空いた、、、、」
アレクセイが再度呟き、足取りを速めてデニスの横に並んだ。
ユーリ
「理由になってないと思うんですけど」
デニス
「理由がなきゃ動いちゃいけないのか?」
デニスが足を止め、振り返ってユーリを見た。
ユーリ
「人は利己心でしか動けません」
デニス
「若いのにまた随分と面倒な」
デニスは後頭部を掻き、天井を仰いだ。
ユーリ
「何の利益があるんですか」
デニス
「気分が良くなる、良い事をするとな、それだけさ」
デニスはそう言い残して、再び歩き出した。ユーリは足を止め、唇を噛む。
ユーリ
「チッ、、、、、、、、、結局力を振るうのが楽しいだけじゃないですか、、、」
ユーリの声が、金属質の壁に跳ね返って小さく響いた。
アレクセイ
「お腹空いた、、、、」
ガコンッ。
デニスが壁面に埋め込まれた自販機のパネルを叩く。取り出し口に、厚手のパッケージが落ちてきた。
デニス
「これは全部無料だし、誰でも使っていいぞ」
アレクセイが手を伸ばしてそれを受け取る。包装を引きちぎり、中に入っていたサンドイッチを口に押し込んだ。
セナ
「私はどうしたら良いのかしら」
デニス
「ま、流れで決まるだろ、ゆっくりしておけば良いんじゃないか?」
デニスがセナの肩を軽く叩いた時、通路の先から足音が近づいてきた。
ラスティーヌ
「デニス隊長!ラジェシュさんから話聞きました!セナさん!ちゃん?を案内に来ました!」
ラスティーヌが手を振りながら駆け寄ってくる。デニスは手元のデバイスを操作し、三人の端末に信号を飛ばした。
ユーリ
「、、、、これは?、、、、」
デニス
「この船の地図だ、、案外広いからな、、、じゃあな」
デニスはそのまま背を向け、反対側の通路へ消えていった。
セナはラスティーヌに背中を押されるようにして、女子居住区の方へと歩き出した。
