79話:ハンバーガーはないみたい

アレクセイ

「お腹空いた、、、」

アレクセイは腹をさすりながら、廊下に立ち止まった。その視線は足元の床板に落とされている。

デニス

「じゃあ俺が案内してやるよ」

デニスが親指で背後の通路を差し、歩き出す。その後ろを、ユーリとセナが顔を見合わせながらついていった。

ユーリ

「、、、、、あの、、、僕たちを保護してて良いんですか?、、学園都市を壊した犯人かもしれませんよ」

デニスは歩みを止めず、前を向いたまま答えた。

デニス

「、、、、、、さぁな、、マチル団長の言う事が絶対だからな」

セナ

「そんなあの女が偉いの?」

セナが眉をひそめてデニスの背中に問いかける。

デニス

「、、、、、、、、、、、偉いかどうかなら偉くはあるよ、、ただ死ねないだけの俺たちをまとめたのはあの人だし」

アレクセイ

「、、、、、、、、、、、お腹、、、、、空いた、、、、」

アレクセイが再度呟き、足取りを速めてデニスの横に並んだ。

ユーリ

「理由になってないと思うんですけど」

デニス

「理由がなきゃ動いちゃいけないのか?」

デニスが足を止め、振り返ってユーリを見た。

ユーリ

「人は利己心でしか動けません」

デニス

「若いのにまた随分と面倒な」

デニスは後頭部を掻き、天井を仰いだ。

ユーリ

「何の利益があるんですか」

デニス

「気分が良くなる、良い事をするとな、それだけさ」

デニスはそう言い残して、再び歩き出した。ユーリは足を止め、唇を噛む。

ユーリ

「チッ、、、、、、、、、結局力を振るうのが楽しいだけじゃないですか、、、」

ユーリの声が、金属質の壁に跳ね返って小さく響いた。

アレクセイ

「お腹空いた、、、、」

ガコンッ。

デニスが壁面に埋め込まれた自販機のパネルを叩く。取り出し口に、厚手のパッケージが落ちてきた。

デニス

「これは全部無料だし、誰でも使っていいぞ」

アレクセイが手を伸ばしてそれを受け取る。包装を引きちぎり、中に入っていたサンドイッチを口に押し込んだ。

セナ

「私はどうしたら良いのかしら」

デニス

「ま、流れで決まるだろ、ゆっくりしておけば良いんじゃないか?」

デニスがセナの肩を軽く叩いた時、通路の先から足音が近づいてきた。

ラスティーヌ

「デニス隊長!ラジェシュさんから話聞きました!セナさん!ちゃん?を案内に来ました!」

ラスティーヌが手を振りながら駆け寄ってくる。デニスは手元のデバイスを操作し、三人の端末に信号を飛ばした。

ユーリ

「、、、、これは?、、、、」

デニス

「この船の地図だ、、案外広いからな、、、じゃあな」

デニスはそのまま背を向け、反対側の通路へ消えていった。

セナはラスティーヌに背中を押されるようにして、女子居住区の方へと歩き出した。

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