ガチン!………ピッ…………キュゥゥゥン!!!
上空から凄まじい衝撃波を伴い、それは現れた。
大気を切り裂く高周波の駆動音。
漆黒の装甲を纏ったヴェルクが、重力に従い、夜の森へとその巨体を叩きつけた。
ガァン!!
大地が悲鳴を上げ、周囲の木々が爆風に薙ぎ倒される。
アレクセイは着地地点を見やり、不満げに眉を寄せた。
アレクセイ
「ん?、、、ちょっとズレた」
セナ
「なぁ、、、ちょ、、おい!」
背後から追いかけてきたセナが、息を切らしながらアレクセイの肩を掴んだ。
見上げるほどの巨体を前に、彼女の顔には困惑と焦燥が混じり合っている。
セナ
「なんで行くんだ、、あの船で逃げれば良いだろ!、、、エアドームぶっ壊してさ!」
アレクセイ
「ムカつくから」
アレクセイは、一切の迷いなくハッチへの足場を確認し始めた。
そのあまりに直感的な理由に、セナが声を荒らげる。
セナ
「ムカついて殴る訳!?そんなの男の特権だろ!」
アレクセイ
「、、、、、、、暴力は嫌いなんだ、、、人を殺せるから、、、」
アレクセイの瞳には、熱が宿っていた。
その行動との矛盾に満ちた言葉に、セナは一瞬言葉を失い、喉を震わせる。
セナ
「話になってない!」
アレクセイ
「うるさいな、、なに?、、じゃどうしろっての?アレの良い様に暴れさせると?、、その結果街の住民が死ぬ、、セロニカも死んだ、、、俺も死ぬとこだった、、ユーリも死んでたかもしれない、、、、何もせずに人が死ぬなら、、機械くらいぶっ壊して死ぬ」
アレクセイは、静かに、しかし断固とした足取りで、少し離れた位置に突き刺さっているヴェルクに向かって走り出した。
月の薄い重力と周囲の木々をバネにするように、彼は軽やかに跳ね上がる。
カチッ……ピピッ………シュゥゥゥ
開かれたハッチから内部のモニター光が溢れ出す。
だが、操縦席に飛び込もうとしたアレクセイの手が、入り口で止まった。
アレクセイ
「、、、、、、、、なんでいんの」
セナ
「、、、、、、、、、、、、、、、、なら私だってアレ壊してから死ぬわよ!」
そこには、いつの間にか先回りして内部に潜り込んでいたセナが、狭い座席の端で歯を剥き出しにしてアレクセイを睨み返していた。
アレクセイ
「、、、そう、、、馬鹿みたい」
セナ
「テメェ!!」
