84話:到着!

マチル

「到着したな!エルクールコロニー!」

マチルは展望デッキの手すりを叩き、眼前に広がる巨大な円筒形の構造物を示した。

ハッチが開き、減速信号とともに船体が誘導路へと滑り込む。

アレクセイ

「ここが、、、コロニー、、、、初めて見た、、、広い!」

アレクセイは窓に顔を押し付け、湾曲してそびえ立つ大地を凝視した。

遠方にある対向面の街並みが、頭上の空を塞ぐようにそびえている。

デニス

「そら、全長32km、直径5kmはあるからな」

デニスはアレクセイの隣に立ち、流れていく外壁のプレートを指差した。

ユーリ

「、、、、湖もあるんだ、、、、何で?コロニーで湖なんて」

ユーリは眼下に見える青い水面を指差し、視線をセナへ向けた。

セナ

「アンタら一体いつの時代の話してんのよ、コロニーだって湖くらいあるわよ、緊急用の貯水槽兼養殖槽よ」

セナは腕を組み、窓の外に映る水門の構造を顎で示した。

アレクセイ

「へぇ、、、なにいるの?」

アレクセイは水面を見下ろしたまま問いかけた。

セナ

「サーモンとエビとムラサキイガイね」

セナは指を三本立てて数え上げた。

アレクセイ

「へぇ、、、牛は?豚は?羊とかは?」

アレクセイはセナの顔をのぞき込んだ。

セナ

「居る訳ないじゃない、二酸化炭素が多くなってすぐ酸欠になるわよ」

セナは首を横に振り、換気ダクトが並ぶコロニーの天井部を指した。

アレクセイ

「えぇ、、お肉美味しいのに、、でもどれも食べた事あるもんばっかだなぁ」

アレクセイは自分の腹をさすり、視線を落とした。

セナ

「そら地球を無駄に再現してるんだから当たり前でしょ」

セナは髪をかき上げ、居住区の森を模した緑地を指でなぞった。

デニス

「マチルさん、じゃあ売りに行ってきますよ、マチルさんが新入りの面倒見るんで?」

デニスは腰のホルスターを確かめ、マチルの方を向いた。

マチル

「そうだなはしゃいでんだ、案内してくる」

マチルはアレクセイの頭を軽く叩き、出口の方へ顎を動かした。

デニス

「では鹵獲した機体を売ってきます」

デニスは軽く手を挙げると、カーゴ・ベールの昇降機へと足早に向かった。

船体がドッキングの振動に揺れ、固定アームの噛み合う音が船内に響いた。

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