ユーリ
「、、、、、これ、、、なんですか?」
ユーリは、整備ドックの奥に鎮座する骨組み剥き出しの機体を見上げた。
外装が取り付けられていない内部フレームが、作業灯の光を鈍く反射している。
ジェット
「あぁ、、、これはここで作ってる新型リグマシーナギア、、名前はまだない」
ジェットは手にしたレンチを工具箱に放り込み、機体の脚部に置いた手でその感触を確かめた。
ユーリ
「へぇ、、、、何で作ってるんです?」
ユーリは機体の周囲を歩き、露出した動力パイプや基盤を覗き込む。
ジェット
「趣味だな」
ジェットは機体の下から這い出し、軍手で額の汗を拭った。
ユーリ
「、、、、、兵器を、、趣味、、ですか?」
ジェット
「まぁそうかもな」
ジェットは作業椅子を引き寄せ、腰を下ろしてユーリの視線を正面から受け止めた。
ユーリ
「、、、、、、、、、、、なんで、、、この船はこんな技術が、、、いや、、オンバスさんも含めて、、、どうしてですか」
ジェット
「まぁ俺らの母体がそもそもレジスタンスだからな、、そういう流れ」
ジェットは棚から油の染み付いた布を取り出し、指先を拭い始めた。
ユーリ
「、、、、、、、貴族はお嫌いですか」
ユーリの言葉に、格納庫の喧騒が遠のくような沈黙が流れた。
ジェット
「、、、、、、、ふむ、、、、うーん、、、どうなんだろうなぁ」
ジェットは視線を天井の配管へ向け、ゆっくりと息を吐き出した。
ユーリ
「、、、、、、、、、、、、アレクサンドルに協力した貴族と協力しなかった貴族なら」
ユーリは機体の装甲板の端を指でなぞる。
ジェット
「さぁな、、お前が何を聞きたいか知らないが俺に政治は分からない」
ユーリ
「、、、、、市民が政治を分からないから石を投げれるんでしょう」
ユーリは顔を上げ、ジェットの瞳をじっと見つめた。
ジェット
「そうかもな」
ジェットは布を丸め、膝の上に置いた。
ユーリ
「、、、、、この機体は何の為にあるんです」
ジェット
「意味が無きゃ生み出しちゃいけないのか?」
ユーリ
「意味が無かったら人は容易く石を投げて良いと思うんです」
ユーリは一歩、ジェットの方へ足を踏み出した。
ジェット
「話が噛み合わねぇが、まぁ、これは換装による戦闘を目的とした機体だ、あらゆる環境において戦いやすい武装に変えていく」
ジェットは背後の機体を指差し、モニターに表示された換装パーツのリストをスクロールさせた。
ユーリ
「、、、、、、環境に合わせるんですか」
ジェット
「そらな」
ユーリ
「、、、、、、、合わなかった人間は捨てても良いと、、糾弾された人物の家族まで罰を受ける理由はありますか」
ユーリの声が、格納庫の硬い壁に跳ね返って低く響いた。ジェットは持っていた布を床に落とし、立ち上がった。
ジェット
「、、、、、、、、、、乗るか?お前が」
ジェットはコックピットへと続くタラップを指し、ユーリの反応を待った。
