ピー………ピピッ。
格納庫に電子音が響き渡り、大型モニターの数値が安定した。
ラスティーヌ
「オッケーだぜ!アレクセイ!」
ラスティーヌは計器から顔を上げ、親指を立てて合図を送った。
アレクセイ
「、、、、、、はい」
格納庫の中央。アレクセイはヴェルクのコックピットハッチを半開きにしたまま、操縦席に胡座をかいて座っていた。
セナ
「、、、、、、、にしてもこれ、、技術的にどうなんだ、、」
セナはヴェルクの機体表面に手を触れ、装甲の継ぎ目を覗き込む。
ラスティーヌ
「いやぁまさか、、、禁止技術いっぱいだね!」
ジェット
「うーむ、これは2378年に禁止されたやつだしなぁ、、どっから手に入れたんだ?これ作る機械は全部廃棄されたはずだぞ」
ジェットは顎をさすりながら、主脚の駆動系を凝視した。
アレクセイ
「まだ乗んなきゃダメですか?」
アレクセイは座席のクッションに深く体重を預け、天井を見上げた。
ラスティーヌ
「うん!このヴェルクってアレクセイが乗ってないと動かないんだよ!超高度な生体プロテクトかかってる!」
アレクセイ
「ふーん、、、、ユーニャ!暇だからしりとりしよ」
アレクセイは機体から身を乗り出し、近くの作業台に座っていたユーリに声をかけた。
ユーリ
「えぇ、、、良いのかよ、、アレクセイ、、、」
アレクセイ
「いいんじゃない?俺なんもしてないし」
ユーリ
「そうかよ、縛りは?」
ユーリは腰を上げ、機体の足元まで歩み寄った。
アレクセイ
「ご飯でしょ」
ユーリ
「じゃあ俺は機械」
アレクセイ
「サンドイッチ!」
ユーリ
「ち、、、、ち、、、、ちぇ、、チェカリングの法則」
アレクセイ
「な、、、機械つっただろ、、、、そこで法則まで含めるの!?」
アレクセイはコックピットの縁を叩いた。
ユーリ
「えぇ、でもチェカリングの法則自体は今の機械全般に使われてるし、宇宙空間では表面積の計算に使われるんだからありだろ」
アレクセイ
「それ言ったら全部法則で終わるじゃん!ズル! 」
ユーリ
「ズルじゃない!」
アレクセイ
「ぬ!、、、、く、、、クーリッコ寿司!」
アレクセイはコックピットから飛び出し、微重力の中でユーリに向かって浮き上がった。
ユーリ
「地名までつけたらそっちこそなんでもありじゃないか!」
アレクセイ
「んだと!そっちが先に言ったんだろ!」
二人は空間を蹴り、互いの胸ぐらを掴んで格納庫の空中でもみ合いを始めた。
セナ
「何やってんだアイツら」
セナは冷めた視線を宙に浮く二人へ向けた。
ジェット
「あ!そっち危ないから行ったらダメだ!」
ジェットは腕を伸ばしたが、二人は慣性に従って機体の鋭利なパーツの方へと流れていく。
ラスティーヌ
「とうっ!新兵器、宇宙に投げ飛ばされた人を回収する回収装置!じーしゃっく!いけ!」
ラスティーヌは手元のランチャーの引き金を引いた。
アレクセイ、ユーリ
「ぅえ!?、、ちょ、、、ぐあ!!」
発射されたのは粘着弾だった。
命中と同時に広がるトリモチ状の物体が二人を絡め取り、ラスティーヌがリールを巻き取ると、塊となった二人が彼女の持つ機械に叩きつけられた。
ラスティーヌ
「どや!」
ジェット
「こら!ラスティーヌ!それ良いけど、次からそれ禁止!他の機械についたらどうすんだ!それを落とすのに専用の薬剤が要るんだぞ!使う馬鹿が居るか!」
ジェットはラスティーヌの頭に拳を落とした。
ラスティーヌ
「ぬぉぉぉおおおお!頭を殴ると脳細胞が潰れて馬鹿になるんだぞ!」
ジェット
「後先考えられずに生み出すんなら馬鹿になっとけ!」
アレクセイ
「、、、、、、、、ネバネバする、、、」
アレクセイは粘着剤の中に指を突き入れ、その感触を確かめた。
ユーリ
「ちょ!これ動けば動くほど絡む!めんどくさい!!」
ユーリは手足を動かそうともがくが、粘液が糸を引いて体中に絡みつく。
アレクセイ
「、、、、、これが、、、、ゴキブリの気分なのか、、、ふむ、、、ゴキブリってなんでも食うから俺もこれ食えるかな、、ユーニャ、次すしだから、しだぞ!」
アレクセイは鼻先に付いた粘液を舐めようと舌を出した。
ユーリ
「うるさいぞ!アレクセイ!!!!」
セナ
「、、、、、、、馬鹿しか居ないのかここは、、、、、」
セナは額に手を当て、視線を床に落とした。
